成約事例

お客様の声 Vol.01

【システム開発】M&Aで後継者不足を解決した成約事例

システム開発・運用事業の会社を経営されてきたI様。大学卒業後に就職されたメーカーから独立され大変な時期も乗り越えながら約30年運営されてきましたが、後継者不足をご理由に譲渡をご決断されました。M&Aに至る経緯や譲渡時のご心境などをお伺いしました。

インタビュアー

ブティックス株式会社 鞠子

【鞠子】大学を卒業されてから独立されるまでの経緯をお教えください。

【I様】大学を卒業後、メーカーに就職し理系だったので研究所に配属されたのですが、世界に出ていきたいという希望がありました。上司に希望を伝えたところ、海外事業本部で海外向けの空調機の開発や改造を技術的にサポートする部署に異動になりました。

ある時、物流部門から、縦横さまざまな形の空調機を海外に輸送する時、コンテナに効率よく詰めるバンニングプランというのがあるのですが、今人の手でやっているのを何とかコンピューターで出来ないかと私に相談が来ました。
3次元の最適配置を解決するプログラムを生み出すことができ、会社の中では社長賞をいただくこともできました。そのアルゴリズムを使って情報部門がシステム化をしました。

そこから数年たち、バンニングプログラムを世の中に出したら面白いのではないかと思い、独立起業してやってみたいという気持ちになっていきました。
そのタイミングで、待ち望んだ海外赴任の話がきまして、海外赴任か独立か非常に迷ったのですが、最終的に独立することを選択しました。

【鞠子】独立されて積み荷のシステムを販売されていく中で、システム開発を主軸にして事業をしていったわけですが、設立時に抱えていた悩みや課題はありましたか?

【I様】設立した時は無我夢中でした。当然資金繰りも厳しかったですが、融資を受けて、あとは仕事をどうしていくかという話ですが幸いにも元いた会社が仕事を発注してくれ、苦境をしのぎながら開発にかかることができました。
資金繰り、仕事、それから人。私一人で始めたので、人をどうやってどんな時にどんな人を雇っていくかという事も課題の一つでした。

【鞠子】後継者選び、そこから第三者承継を考えられたきっかけを教えて下さい。

【I様】私も65になるので、「いつまで続けるのか…。」という気持ちはありました。
親族に譲る気はなかったので、従業員か第三者という選択肢となり、一人の40代の従業員がよく頑張っていたので、やってみないかという話をしてみました。
ところが、開発者ですからシステム開発しかしたことがなく、営業、人事、財務や労務系といった分野が未経験で本人もそこを不安に思っていました。
もう一つは、どうやって会社を引き継がせるかなのですが、当然金銭のやりとりで株式をそのまま売ることになるのですが、貯えがなく厳しそうでした。そんな時に主力のお客様の売り上げが減るということになり、我が社は営業活動をほとんどしておらず、既存の顧客と紹介で仕事を回しておりました。このまま売り上げが減った状態で従業員の彼に任せるのは酷だと思い、そうなると第三者承継しかない。ちょうどその際に御社からお電話いただき、M&Aの方向で考えていこうと思いました。

【鞠子】顧問の税理士先生からご紹介されたお相手様もいながら、弊社に決めていただいたきっかけをお聞かせください。

【I様】M&Aを考えた時に商工会議所のM&A支援センターに真っ先に話を聞きに行って、どういったものかどういう費用がかかるものか話を聞いていると、大きな手数料が動く事を知りました。最低手数料も高額で、我が社のような中小零細企業がM&Aをしても手数料の方が上回ってしまうのではないかと思い、それはない話だなと感じました。
御社からお電話をいただき、着手金はなくて手数料も他で聞いたところよりも安価だと感じました。それだったらブティックスさんに頼もうと思いました。
その後顧問税理士さんからも話がきましたが、ブティックスさんと専任契約をしていたので、専任を外し、一時2か所でやっていたという時もあります。

【鞠子】実際に譲渡するとなると心持ちも変わってくるのかなと思うところがあるのですが、譲渡を決断されてから話を進めていく中で不安や葛藤はございましたか?

【I様】事前に整理はできていたので、特になかったですね。しいて言うなら買い手がつくのか、どのくらいの金額で買おうと思ってくださるのかというのが、一番の不安でした。

【鞠子】従業員の皆様ともご面談をされて、一部引き継ぎが始まっていると思いますが、従業員さんの反応はいかがですか?

【I様】特に、不安はないと思います。物理的に場所が移転した時は通勤が遠くなるかもというのはあるかもしれません。
若い社員は後輩ができるので喜んでいると思います。彼に継がせようとした際に、誰か下につく人を採用して育てないといけないなと思っていました。彼が現在は一番下なので、教える経験や、マネジメント部分の経験を増やして能力アップを図っていけたらと思っていたので、それが実現できそうで良かったです。

【鞠子】今期いっぱいの3月末まで継続して引継ぎされると伺っております。
これまで長期休暇が取りにくかったと思うのですが、リタイヤ前に落ち着いてからか、リタイヤ後にプライベートでどんなことをされたいなと考えているかお聞かせください。

【I様】来年3月末までのリタイヤ前は今の生活を特に変えたいと思っていないですが、完全にリタイヤ後は、しばらくゆっくりさせていただいて、長期の休みじゃないとできない事を済ませたいなと思っています。
その後は、譲受先の企業さまからも顧問なのか、一部仕事ができたときに委託でかもしれませんが自分でしかわからない部分をお手伝いしてほしいとお申し出もあるので、そのまま何もしないで過ごすよりは何らかの形で社会の役割を果たせたらいいのかなと思っています。

【鞠子】全体を通して弊社のサービスのご感想をお聞かせください。

【I様】うまく導いていただいたという印象があります。どのように進めていくのかわかっていない所がありましたが、必要なものや、興味を持つ企業がどれくらいいるかなど成功するように導いていただいたなと思っています。

【鞠子】最後に、売却をご検討される企業様にメッセージや、アドバイスをお願いいたします。

【I様】私の場合は、廃業は考えてなくて従業員の雇用をなんとかして継続したいという思いでした。
また、情報システムをお客様におさめるとメンテナンスが発生しますので、完全にやめて手を上げるという事は考えられないという事もありM&Aを選択しました。
従業員も少ない、売り上げも多くない会社に手をあげてくれる企業があるのかというのが心配でしたが、需要はあると感じました。
IT業界は人材不足で人が集まらない、すぐ辞めてしまうというのはよく聞きますが、そういった中で実際にそこで開発しているメンバーごとM&Aは人のパワーを取得するという意味で非常に有効なのだと思いました。
小さいところでも、M&Aはできる!と声を大きくして言いたいです。

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